私がスパイクやブロックを教える場合、まず最初にパッシングセンターラインを説明しています。
個人的にはバレーボールのルールの中で、パッシングセンターラインは最初に覚えてもらいたい!と思うほど重要だと考えているからです。
というのは、このセンターラインの踏み越しにより、自分や相手が重大なケガをする可能性が高いからです。
Vリーグでさえ、このパッシングセンターラインで相手にケガをさせるシーンがあります。
ましてスパイクやブロックに慣れていない段階だと、センターラインの踏み越しにまで意識が向かない方がほとんど。
それだけに、何度か危ない場面を見てきました。
なので「センターラインを踏み越さない。そのためにまずは踏まない範囲でスパイクやブロックをやりましょう」と伝えています。
ただ、この程度の説明だと、本当に言いたい事が伝わらない!
なので今回は、パッシングセンターラインの説明とその危険性を説明します。
少しでもセンターライン付近でのケガが減ることを祈って。
パッシングセンターラインは「足」がポイント
そもそもネット下からセンターラインを越えること自体、対戦相手とぶつかる危険性があるのでやらない方がいいです。
ただ、ルールを理解し対応イメージがあれば、競った時に1点を取れる武器となるかもしれません。
足がライン越えたら反則
簡単に言ってしまえば、【ネットの下を越えてもいいけど、足がセンターラインを踏み越したら反則】です。
真上の空間にあればOK!
以前のルールではセンターラインを踏んでいなければダメでしたが、今はセンターラインを踏んでいなくても真上の空間にあればOKです。
年々じわじわルールが変わっているので、たまーにルールブックを確認するのもいいかもしれません。
点を取った・取られた後に相手コートに入るのもOK!
スパイクやブロックが決まった後、バランスを崩して相手コートに入っても反則にはなりません。得点を取った(取られた)時点でアウトオブプレーとなるからです。
実はルールがこれだけならわざわざ記事にはしません。
ここから、どうしても知っておいて欲しい大事なことがあります。
【重要】越えていなければいいって訳じゃない
足がラインが越えなくても反則に!?
相手コートに侵入が許されても、相手チームのプレーを妨害することは許されません。
ルールブック内、ケースブックを参考にしてみましょう。
3.12 アタッカーの踵がセンターライン上に着地したが、足の大部分が相手コート上にいるブロッカーの足の上に乗っていた。ブロッカーは、素早く動くことができなかった。これはインターフェアであるか。
ルール インターフェアである。
インターフェアとは、ボールをプレーしようとするときに、相手の動きやボールをプレーしようとすることを止めたり、相手を妨害したりすることをいう。
公益財団法人日本バレーボール協会 2018年度版 バレーボール6人制競技規則
仮にセンターラインを踏み越していなくても、相手の邪魔をすれば反則になります。
当たり前なのですが、ここが一番重要です。
パッシングセンターラインは大ケガになりかねない
上記のケースブックでは「ブロッカーの足の上に乗っていた」とサラッと書いてありますが、実際はそんな簡単な話ではありません。
不安定な相手の足の上に着地するので捻挫、靱帯損傷、転倒などの危険があり、場合によっては選手生命を脅かす事態になりかねません。
というのもこの手の事故、公式戦でよく見かけます。
必死にプレーしている中で起きることなので、悪意を持ったプレーではないと分かっています。
それでもルールとその危険性をしっかり認識した上でプレーをしていれば、防げた事故もあったのでは?と思っています。
単にセンターラインを踏み越さないだけの話ですが、プレーに夢中になると忘れがちです。
取り返しのつかないことにならない様にしっかりルールを理解して、ケガをしない・させないプレーを当たり前にできる様にしたいものですね。