これまでメンタルトレーニングに関する本を読みまくったり講習を受けたりしましたが、マインドフルネス呼吸法こそが最も効果的なメンタル強化策と思うようになりました。
正直、マインドフルネスの考えを身につけるだけで、メンタルトレーニングは十分じゃないの?と思うほどです。
マインドフルネスの「今ここに意識を向ける」スキルは、
アスリートのみならず、ストレスを抱えながら働いている我々には必須なスキルではないか?、
とすら思うようになりました。
この記事では、脳の休息法であるマインドフルネス呼吸法を紹介しつつ、バレーボールのメンタルで使えるポイントをお伝えします。
マインドフルネスって何?
まずはマインドフルネスがどんなものか紹介していきます。
手軽でシンプル
マインドフルネスとは、脳科学に基づいた脳の休息法です。
ざっくり言えば、宗教性を排除し、脳科学の観点で瞑想のいいとこ取りをした、シンプルな瞑想法です。
やり方は、目を閉じて呼吸に意識を向けるだけ。
1日5分でも3分でもOKという気軽さも強みです。
世界中で流行中
マインドフルネスは世界中で爆発的に広まっており、経営者やアスリートの実践者が増えているそうです。
企業ではGoogle、アップル、Facebook、ゴールドマン・サックスなど。
アスリートなら、バスケットのマイケル・ジョーダン、テニスプレーヤーのノバク・ジョコビッチなどが使っています。
脳が休まる
最大の特徴は、「脳が休まること」です。
マインドフルネスは呼吸だけに集中し、それ以外の余計な思考をストップさせます。
これにより、雑念による脳のエネルギー消費が軽減されるため、脳が休まるのです。
ぼーっとしている状態と何が違うの?
目を閉じて呼吸に意識を向ける状態とは、ありていに言えば「何も考えない」状態です。
それって、ぼーっとしているのと同じでは?とも思ったりしました。
よく考えてみると、ぼーっとしている状態は何も考えていません。
しかし呼吸に集中していません。
呼吸を意識することで、今に集中することがマインドフルネスなので、似ているけどちょっと違うと言えます。
具体的なやり方は?
参考書籍
私が一番参考になったのは、脳疲労が消える 最高の休息法[CDブック]――[脳科学×瞑想]聞くだけマインドフルネス入門という本です。
お堅くなりがちなテーマを、ほんわかしたイラストと分かりやすい文章で、楽しく読めます。
付属CDのトラック1で、マインドフルの感覚が簡単につかめます。
どんな風にやってるの?
私の場合、寝る前にトラック1と同時に瞑想用の音源をかけて、マインドフルネス呼吸法をやっています。
トラック1は10分で終わりますが、瞑想用の音源が20分なので、1日20分ほどやっています。
トラック1だけで十分効果あります
効果に気がつくまで
毎日続けた方が良いとのことですが、序盤は毎日やっていませんでした。
10分ほど瞑想したからって何になるの?
とすら思っていました。
正直、20分の間に「呼吸だけに集中し何も考えない状態」は、数分程度です。
残りの時間は、今日のお昼はうまかったとか、BGMが流れたりだの、とりとめもないことが頭に浮かび、それに気付いて呼吸に集中し直す、の繰り返しです。
それでも週一回程度続けていくうちに、目を閉じなくても、歩きながらでも、「呼吸だけに集中し何も考えない状態」ができるようになりました。
その頃から、マインドフルネスの効果に気がつきました。
マインドフルネスの効果
注意
あくまで私個人の体験談です。
まして他人様にはお見せできない頭の中の話なので、
たぶん効果には個人差があります!
さて、マインドフルネスをやって、何が変わったか?
悟りを開け←うそです
あれこれ考えすぎている状態からすぐにリセットでき、引きずらない点です。
試合を例にして説明していきます。
ネガティブな感情を消す
あなたもきっと、試合中に感情があちこち行ったり来たりしているはずです。
自分やチームが盛り上がるような感情ならともかく、ネガティブな感情が出た時は問題です。
例えばチームメイトのしょぼいプレーや相手のフェアじゃないプレー、危険なプレーなどに怒りなどの感情を持つこともあると思います。
残念なことにパフォーマンスを落としそうなネガティブな感情を出すな、ということは無理です。
出てしまった感情は仕方ないとしても、新たなラリーが始まる前に呼吸に意識を向けることで「今だけに集中している状態」を作り出すことができれば、ネガティブな感情は軽減されます。
マインドフルネス実践者でかつ、テニス男子世界ランク1位のノバク・ジョコビッチですら、試合中にキレてラケットを破壊することもあります。
しかしその感情を引きずらないで勝つところが、超一流なのでしょう。
重要なのは感情を出さないことではなく、ネガティブな感情や気持ちを素早く切り替えて次のプレーに集中すること。
単にぼーっと呼吸しているだけじゃね?と思いつつやっていたマインドフルネス呼吸法に、この効果があると気がついてから毎日のようにやってます。
未来への不安、過去の失敗から解放される
試合中、あなたはどんなことが頭に浮かんできますか?
100%自信満々で勝つことしか考えていない!のであれば問題ありません。
だとしたら、そもそもこれ読む必要ないかも。。。
かくいう私は、ついつい未来への不安や過去の失敗に頭が占領されます。
例えば・・・
未来への不安
- 相手はすごく強いのではないか?
- 負けたらどうしよう?
- ミスったら、冷たい目で見られそう
- このスパイク、ブロックされないかな?
- アイツ、次はミスらないかな?
過去の失敗
- さっきのプレーは最悪だ
- あのプレーで流れが変わった
- 過去、似た状況で失敗したけど、今回は大丈夫かな?
- アイツ、何であんなプレーしたんだ?
特に自分がミスしたりチームが劣勢に立たされると、上のような「未来の不安や過去の失敗」が頭の中でぐるぐる回ります。
ポイント
実際にプレーをしていない試合前に「未来の不安や過去の失敗」が発火すると、緊張状態に陥ります。
こんな状況になった時、マインドフルネス呼吸法で【今だけに集中する】とリセットできます。
step
1ミスった!
「やばいやばいやばいどうしようどうしようどうしよう!」
「またミスったらどうしよう!」
step
2呼吸法
「スースー」
step
3今に集中
「」
step
4次のラリーが始まる
「さあ、次のラリーだ!」
こういった試合での気持ちの切り替えはクリアリングとも呼ばれ、習得するまでかなり時間がかかりました。
しかしマインドフルネス呼吸法を一ヶ月ほど続ければ、その感覚が簡単につかめてしまうのです。
これまで試行錯誤してきたことがバカバカしくなる位の簡単さです。
もちろん私生活でも
ネガティブな感情や未来への不安、過去の失敗に意識が行ってしまうのは、私生活でもありますよね。
試合でマインドフルネスを使いこなすことができれば、仕事や私生活にも楽勝で応用できます。
例えば仕事。
やるべきことがあるのに、ついつい意識があちこちに持っていかれたりすることもあると思います。
そんな時にこそ呼吸に集中して、今すべき仕事だけに集中できれば、より生産性が上がると思いませんか?
プレゼン前の緊張感も
その日の夕方に大事なプレゼンがあり、その時間が近づくと緊張してきました。
「上手くいくだろうか?」
「失敗したらどうしよう?」
などといった「未来への不安」に頭が占領され、プレゼン前にすべき仕事がおろそかになっていました。
そこで目を閉じずに呼吸だけに集中して【今だけに集中】してみると、その不安は軽減されました。
その後も何度か「未来への不安」が出てきましたが、その度に呼吸だけに集中することで緊張感が徐々に和らぎ、本番ではほどよい緊張感でプレゼンできました。
脳疲労が確かに取れる
本のタイトル通り、脳疲労が消えました。
上に書いたやり方でマインドフルネスを20分ほどしてしばらくすると、「そういえば頭の疲れが取れて落ち着いている」自分に気がつくことがあります。
これに気がついてから、現金なことにさらにマインドフルネスをやる回数が増えました。
数回やった程度では感じません!
気長に続けることが重要です!
さいごに
最初は「単に眠いだけで効果あるのかビミョー」と思っていました。
それが最近では「今だけに集中している状態」が心地よく、ふとした時に呼吸を意識することもあります。
例えば電車の待ち時間。
スマホを見るのではなく、目を開けた状態で呼吸に意識を集中してます。
(ちょっと変な人かも・・・?)
スマホは時間つぶしにいいとは思うのですが、移動時間に少しでも脳を休めた方がいいかも?と思うようになりました。
おかげでマインドフルネスをやる前より明らかに集中力が上がったし、落ち着き度(?)も上がった気がしています。
私の場合、余計なことを考えすぎて「未来の不安や過去の失敗」に引っ張られがちなので、このスキルが得られたのは個人的にはすごく大きいです。
バレーボールも、仕事(勉強)も全力で頑張っているあなたに、マインドフルネスはおすすめです!
追記:その後
もちろん書いた後も毎日続けています。
劇的には変わらないけど、じっくり確実に自分が落ち着いてきている手応えがあります。
毎日は飽きる
でもさすがに毎日同じメッセージは飽きますね。。。
ということで、マインドフルネス瞑想入門のCDも使っています。
このCDのトラック1~4まで25分程度。
姿勢や呼吸などをいい感じで誘導してくれます。